いぼ痔(痔核)とは
いぼ痔(痔核)は、肛門周辺の血流が滞ってうっ血し、いぼのような腫れができる病気です。いぼ痔には、肛門の皮膚にできる「外痔核」と、歯状線を越えた奥の粘膜にできる「内痔核」の2種類があります。
外痔核と内痔核はどちらも、便秘による習慣的な強いいきみや、冷えなどによる肛門への負担が原因で発症しやすいですが、外痔核は痛みを引き起こすことが多く、内痔核は出血や痔核の脱出がきっかけで気づくことが多いです。また、外痔核と内痔核では治療法も異なるため、それぞれに適した対処が必要です。
木曜日は肛門内科の診療を行っておりません。木曜以外のご来院をお願いいたします。
下痢予防
下痢を予防するためには、冷たいものを避け、温かい飲み物を摂るようにしましょう。足腰を温め、刺激物やアルコールの過剰摂取を控えることが大切です。腸内細菌を整える乳酸菌も改善に役立ちます。
内痔核
内痔核は、肛門の奥、歯状線より先の粘膜にできる痔核です。粘膜には知覚神経がないため、通常は痛みを感じることはほとんどありません。最初の自覚症状としては、便が擦れることによる出血や、排便時に痔核が脱出する「脱肛」が現れることが多いです。初期の脱肛は自然に元に戻りますが、進行すると指で押さないと戻らなくなり、最終的には押しても戻らなくなることもあります。脱肛が進むと、肛門周囲の皮膚に炎症を引き起こすこともあります。また、進行すると排便に関係なく脱肛が生じることもあります。
早期の段階であれば、比較的簡単な治療で完治が可能です。出血や肛門の違和感を感じた場合は、早めに受診して適切な治療を受けることが重要です。
いぼ痔(痔核)の進行段階について
1度
肛門内にいぼのような膨らみがありますが、排便時に痔核が飛び出ることはありません。排便時に出血することがありますが、痛みは伴いません。
2度
排便時に痔核が飛び出しますが、自然に元に戻ります。排便時に出血することがあり、炎症が生じると痛みを伴うことがあります。
3度
排便時に痔核が飛び出します。指で押し込まないと元に戻らなくなります。排便時に出血することがあり、炎症が生じると痛みを伴うことがあります。
4度
常に痔核が飛び出しており、指で押しても元に戻りません。
嵌頓痔核(かんとんじかく)
4度よりも痔核が飛び出し、括約筋によって締めつけられると腫れが生じます。激しい痛みを伴いやすいです。
内痔核の治療
ジオン注射(ALTA療法)は、内痔核に対して行われる治療法で、内痔核が飛び出るのを改善したり、出血を抑える効果が期待できます。この治療法は比較的負担が少なく、患者さんの回復が早いとされています。ただし、治療後に10%程度の再発が見られることがありますが、再発後でも再度ジオン注射を受けることが可能です。
ジオン注射では、定められた分量を投与し、注射の深さ、位置、角度を厳密に決めて行います。注射後、特別な制限はなく、翌日からは通常通りの生活が可能です。生活に大きな制限がないため、日常生活に支障をきたすことなく治療を受けることができます。
ジオン注射は手術を避けたい患者さんにとって、負担が少ない治療選択肢となりますが、効果や再発については個人差があるため、定期的な診察とフォローアップが推奨されます。
外痔核
いぼ痔(外痔核)は、血栓性外痔核とは異なり、静脈叢がうっ血して腫れ、痔核が生じる状態です。血栓性外痔核は血栓によって発生しますが、いぼ痔は血液の流れが悪くなることが原因で発症します。見た目は似ているものの、原因とメカニズムが異なります。
特徴と痛みの原因
外痔核は、知覚神経が通っている皮膚下に静脈叢が存在しているため、強い痛みを伴いやすいです。特に、急性静脈炎を併発すると、激しい痛みが生じることがあります。この痛みは、腫れた痔核に触れることで強く感じられることが多いです。
治療と予防
当院では、内服薬や肛門に注入する坐薬を処方しております。内服薬は主に便を軟らかくする薬を使用し、排便時の負担を軽減し、症状の悪化を防ぎます。坐薬には、鎮痛薬や麻酔薬、炎症を抑えるステロイドなどが含まれており、患者様の症状に応じて適切な薬剤を処方しています。また、軟膏や固形タイプの薬剤がある場合には、患者様が使いやすいものをお選びいただき、処方しています。患者様の快適な治療をサポートするために、個別のニーズに応じた対応を心掛けています。また、座りっぱなしや長時間の立ちっぱなしを避けることも、外痔核の予防につながります。
血栓性外痔核
血栓性外痔核は、肛門付近に発生し、血豆のように腫れる状態で、血栓が形成されることによっていぼのように膨らみます。通常、長時間同じ体勢をとったり、アルコールを摂取した際に腫れやすく、痛みを伴うことがあります。
血栓性外痔核の原因
血栓性外痔核は、長時間の立ち仕事や座り仕事、アルコールの摂取、習慣的ないきみ、重い荷物を持つこと、冷え、妊娠や出産などが原因となりやすいです。また、長時間の移動やデスクワーク、立ちっぱなしの仕事など、同じ体勢を続けることが影響します。
血栓性外痔核の治療方法
血栓が小さい場合は、軟膏の処方で、血栓が吸収されるのを待ちながら痛みを和らげることが期待できます。血栓が大きく、痛みを伴う場合には、局所麻酔を使用して手術が必要です。その場合、連携先の高度医療機関に紹介されることがあります。
血栓性外痔核を悪化させないためには
長時間立っている、座っているなど、同じ体勢を長時間続けることは肛門に負担をかけ、血栓性外痔核を悪化させる原因となります。適度に横になったり、肛門の血行が悪くならないよう心がけることが重要です。また、内痔核と間違えて指で押し込もうとすることは逆に悪化させる可能性があるため注意が必要です。炎症が生じると、完治まで時間がかかることがあります。
いぼ痔の再発を防ぐために
痔の再発には、生活習慣が大きく影響しています。便秘や下痢、排便時の強い、長いいきみなどは痔の発症や悪化の原因となります。症状を緩和するためには生活習慣の改善が不可欠です。便秘や下痢を治療し、生活習慣を見直すことで、症状の改善が期待できます。いぼ痔や切れ痔は、薬物療法と生活習慣の改善により完治することが可能です。再発防止のために、以下の習慣を心掛けましょう。
血行改善
シャワーだけでなく、毎日の入浴を習慣にすることで血行が改善されます。特に冬だけでなく、夏もお湯に浸かって身体を温めることが重要です。入浴後は足腰を冷やさないように注意し、ストレッチやヨガを取り入れて血行改善に努めましょう。
姿勢
長時間同じ姿勢でいると、肛門に負担がかかり痔の発症を促進します。デスクワークや立ち仕事の際は、1時間に数分程度歩くことを習慣づけましょう。また、運転や長距離移動でも長時間同じ姿勢を避けるようにしましょう。
無理にいきまない
排便時の強い、長い力みは肛門周辺の血流を悪化させる原因となります。便意を感じたらすぐにトイレに行くことが大切です。無理に一度で排便を終わらせようとせず、必要に応じて休憩を取りましょう。
お酒・たばこについて
飲酒は下痢を引き起こし、喫煙は血管を収縮させ、血流を悪化させます。これらの習慣を控えることが、痔の予防に繋がります。
香辛料の過剰摂取に注意しましょう
唐辛子などの刺激が強い食べ物を過剰に摂取すると、肛門への刺激が強くなります。摂取量を適切に管理することが大切です。
生活習慣を見直すことで、痔の再発を防ぎ、健康的な状態を維持することができます。



