慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎臓に障害がある、あるいは腎機能の低下が慢性的に続いている状態を指します。一次性・二次性の腎疾患から慢性腎不全へ進行し、最終的には透析が必要となるまでの広い範囲の疾患を総称して用いられる言葉です。その多くは、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリックシンドロームといった生活習慣病に関連して発症します。また、加齢に伴う腎機能の低下も重要な要因です。これらが進行すると、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を引き起こすリスクも高まります。放置すれば末期腎不全に至り、人工透析や腎移植が必要となります。日本では2024年時点で患者数が約2,000万人(成人の5人に1人)と推計されており、その数は増加の一途をたどっています。初期には自覚症状が出にくいため、早期発見・早期治療がとても重要です。
腎臓の働き
腎臓は、背中側の腰の高さに左右2つあります。およその大きさは、その人の握りこぶしよりやや大きく、ソラマメのような形で暗赤色です。腎臓には心臓が1回の拍動で送り出す血液の4分の1が送り込まれてきます。その働きは、主に、血液をろ過して尿などの排出です。大人で1日に約1.5Lの尿として、体に不必要なものや摂取しすぎているものや老廃物を体外に排出します。その他、体内の水分量を一定に保つように水分量の調節したり、血液を弱アルカリ性に保つ役割、血圧の調節、赤血球を一定に保つホルモン分泌をしています。
CKD(慢性腎臓病)とは
CKD(慢性腎臓病)とは、タンパク尿が出るといった腎臓の異常が続いているか(A)、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下した状態(B)を言います。
診断基準は、 A、Bのいずれか、または両方が3ヶ月以上続いている状態と定義されます。
A 腎障害
たんぱく尿(微量アルプミン尿を含む)などの尿異常、画像診断や血液検査、病理所見で腎障害が明らかである状態
B 腎機能の低下
血清クレアチニン値をもとに推算した糸球体濾過量(eGFR)が60ml/分/1.73㎡未満の状態
年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDになる可能性が高くなります。CKDの原因となる病気(基礎疾患)には、糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症(痛風)、慢性腎炎、糸球体腎炎などがあります。多くは、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病であり、「動脈硬化」を引き起こすものです。それは、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子になっていることになります。よって、腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにもつながります。
CKD(慢性腎臓病)の予防と治療
CKDの初期には、ほとんど自覚症状がありません。病気がかなり進行してから、貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れる場合があります。定期的に尿検査や血液検査を受けることが非常に大事です。
肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、CKDの発症に大きく関与しているといわれています。また、メタボリックシンドロームでも、CKDの発症率が高まることが分かっています。
高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い(脂質代謝異常)、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は要注意です。
CKDの治療の目的は、透析が必要な末期腎不全への進行を遅らせることと、心血管疾患になるのを防ぐことです。そのためにも、まず生活習慣の改善が重要です。
- 肥満の方はダイエット
- 減塩(※)
- 規則正しい生活
- 腎機能が低下した場合には低たんぱく食
- 禁煙
- 高血圧や糖尿病などの治療
また、CKDの予防には血圧の管理と尿検査が重要になります。家庭でも血圧をチェックし、定期的に尿検査をすることをお勧めします。
※減塩の注意
食塩、みそ、しょうゆなどの調味料を減らしても、塩はパンや麺類、バター、ハムやかまぼこ、インスタント食品などにも多く含まれています。加工食品には充分気をつけてください。



