痔ろう
痔ろうとは、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルが形成される痔の一種です。肛門周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」が進行し、慢性化することで痔ろうへと移行します。
木曜日は肛門内科の診療を行っておりません。木曜以外のご来院をお願いいたします。
痔ろうの主な原因
痔ろうは、主に下痢などによって肛門の組織に細菌が侵入することで発症します。肛門には「歯状線」と呼ばれる部分があり、その内側には「肛門陰窩(こうもんいんか)」と呼ばれる小さなくぼみがあります。このくぼみには「肛門腺」と呼ばれる粘液を分泌する腺が存在しますが、通常はここに便が入り込むことはありません。
しかし、下痢をしていると便が入り込みやすくなり、大腸菌などの細菌が肛門腺へ侵入することがあります。細菌が侵入した際、肛門周辺に傷があったり、免疫力が低下していたりすると感染が起こり、化膿して肛門周囲膿瘍を引き起こします。さらに、この膿瘍が進行して肛門の内側と外側をつなぐトンネルが形成されると、痔ろうへと発展します。
肛門周囲膿瘍と痔ろうの症状
痔ろうは、肛門周囲膿瘍から始まります。肛門周囲膿瘍は、肛門の周囲が化膿し、膿が溜まることで腫れやズキズキする痛みが生じ、38~39℃の発熱を伴うこともあります。
膿が排出されると、一時的に症状は落ち着きますが、膿の通り道(瘻管)ができることで痔ろうへ進行し、常に肛門周辺から膿が出る状態となります。その結果、下着が汚れるなど日常生活に支障をきたします。
また、膿の出口がふさがっても、時間が経つと再び腫れて肛門周囲膿瘍を繰り返すことがあります。このような場合、腫れるたびに瘻管が広がり、アリの巣状に枝分かれした「複雑痔ろう」へ進行してしまいます。
肛門周囲膿瘍・痔ろうの主な症状
- 腫れが大きくなり、座るのも辛くなる
- 肛門や周囲にズキズキとした強い痛みがある
- 38℃を超える発熱を伴うことがある
- トイレットペーパーや下着に膿が付着する
- おしりが熱っぽい
痔ろうを放置するとどうなる?
痔ろうは自然に治ることはなく、放置するとさまざまなリスクが伴います。
放置することによる主なリスク
排出されない膿がたまり、膿が溜まり続けると腫れや痛みが慢性化します。
次第に痛みや腫れなどの症状が悪化することで、日常生活にも支障をきたします。
長期間放置すると、膿の通り道(ろう管)が枝分かれして複雑化すると、手術が困難になり、治療期間も長引く可能性があります。
また、痔ろうを何年も放置すると「痔ろうがん」へ進行することがあります。
恥ずかしさを感じている方へ
痔ろうは、早期発見・治療が重要です。
「痔の診察は恥ずかしい」と感じて受診をためらう方もいらっしゃいます。当クリニックでは個室で診察を行い、プライバシーに配慮しておりますので、安心してご相談ください。
肛門周辺に痛みや腫れを感じたら、早めに受診しましょう。
痔ろうは手術でしか治せません
痔ろうの治療は手術が唯一の方法です。手術では、瘻管の長さ・深さ・位置・分岐の状態・数などを考慮し、最適な手法を選択する必要があります。また、確実に原発巣を取り除くことが求められるため、繊細で正確な技術、豊富な経験、深い知識を持った医師に相談することが重要です。
当院では、検査を行ったうえで、痔ろうの手術に対応できる連携医療機関をご紹介しています。
大腸カメラ検査が必要な場合があります
痔ろうの原因として、腸に炎症を伴う病気(炎症性腸疾患など)が隠れていることがあります。そのため、術前診察の結果によっては、大腸内視鏡検査を推奨することがあります。
痔ろうの予防
肛門周辺を清潔に保つことが重要です。適切な衛生管理を行うことで、細菌感染のリスクを軽減できます。
また、食物繊維を多く含む食事や十分な水分摂取を心がけ、便秘や下痢を予防することも痔ろうのリスクを下げるために効果的です。
痔の診察に抵抗があり、受診をためらう方も少なくありません。当クリニックでは、複数の診療科を標榜し、肛門科の受診と分からないよう配慮しています。
プライバシーを確保し、安心して受診できる環境を整えておりますので、気になる症状がある場合は、遠慮なくご相談ください。



