1)カタル期
約7日間の潜伏期を経て、はじめは、かぜ症状で始まり咳の回数が増えて程度も激しくなっていきます。発症後数日であれば、マクロライド系抗菌薬が有効です。
2)痙咳(けいがい)期(約2〜5週間)
特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます。しばしば嘔吐を伴いますが、発熱はないか、あっても微熱程度です。成人の場合の咳は、この特徴がなく、この段階でも気がつかない場合も多いです。
3)回復期
発症から治癒までは、6〜12週です。痙咳期が一段落した後も作は少な時折忘れた頃に発作性の咳が出ます。
成人の場合は、発病に気がつかないまま回復に向かってしまい、軽症で診断が見のがされやすいですが、菌の排出は咳の開始から3週間以上持続する場合もあります。ワクチン未接種の新生児・乳児、免疫力が衰えた高齢者に対する感染源として注意が必要です。痙咳期には抗菌薬で咳症状を抑制する効果は少ないとされていますが、痙咳期、回復期においても、症状を緩和するお薬の他に、除菌を行い周囲への拡散を防ぐために、抗菌薬を処方する場合もあります。
患者さんの同居家族や、濃厚に接触した方について、くわしく説明してください。ご家族にも、治療や予防の処置が必要です。 |