カルシウムは血液中で神経や筋肉の興奮や血を固める働きなどで非常に重要な役割を果しています。そのため、血液中のカルシウムが足らなくなると、不足分を骨のカルシウムで補うことになります。体内のカルシウムのほとんどは骨に蓄えられていますが、骨自体もしなやかさを保つために、古いものを壊し、新しい骨を作っています。カルシウムの排出が増加してしまったり、摂取不足によって、新しい骨を作ることが出来なくなってしまうのです。 |
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年をとると、身体の中のホルモンが変化したり、骨をつくる細胞の働きが弱くなります。また、胃酸分泌の低下や腸の吸収能の低下、食事の量が少なくなってカルシウムの吸収量が低下し、腎臓での尿へのカルシウム排泄が増加します。 |
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女性の骨量は男性より低く、また閉経に伴って女性ホルモンが低下すると、後の数年間の骨量が急激に減少します。(上図参照)そのため、女性は男性より骨粗鬆症になる危険性が高く、より若い年齢から骨粗鬆症が見られます。 |
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乳製品をとっていなかったり、偏食して栄養バランスが偏ったりすると、食物からカルシウムが摂取できなかったり、カルシウムが吸収されなかったりします。 |
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ビタミンDは、腸管でカルシウムの吸収を高める働きがあります。不足するとカルシウムを吸収することができません。欠乏すると、子供ではくる病、大人では骨軟化症になってしまう場合があります。 |
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ビタミンDは、皮膚の中で日光の紫外線にあたって、効果を発揮します。そのため、日光に当たらないと、カルシウムをうまく吸収することができないのです。 |
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重力のかからない宇宙飛行士の筋力が急激に低下することは知られていますが、 骨も負荷がかからないと弱ってしまいます。骨の新陳代謝は、毎日行われていますので、毎日動かさないと骨量は減少してしまいます。 |
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ニコチンは、腸からのカルシウムの吸収を阻害し、カルシウムを尿中に排出します。また骨を新しくつくる機能も低下させます。 |
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カフェインのとりすぎは尿へのカルシウムの排泄を増やします。また、過度の飲酒はカルシウムの吸収を減らして、排泄を増やします。 |
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過度のストレスは、腸管からのカルシウムの吸収を低下させ、ホルモンのバランスを崩す場合があります。 |
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卵巣を摘出、肝臓・腎臓の疾患、リウマチ、糖尿病などがある方は、それぞれの機能低下により、ホルモンが分泌されない、ビタミンDがうまく作れない、カルシウムの排出が増加してしまうなどが原因で骨量が低下してしまう場合があります。 |