伴野内科クリニック
 
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息切れ
 
  走ったときや階段を登ったときに、息が苦しくなりハーハーする(=息切れ)ことがあります。このような息切れは、病気による場合と加齢による場合があります。歳をとるにつれて、心臓や肺の機能、筋肉の力が落ちてきて、それまでなんなく登っていた階段でも、息切れしてしまうことが多くなってきます。病気による息切れも初期はほとんど同じような症状です。息切れの症状がある病気はたくさんあり、例えば心臓や肺が悪くなっても起こりますし、貧血がひどくなっても息切れがおきてきます。
よって、息切れがするといっても様々な原因があり、怖い病気につながる可能性もあるのです。中高年になって息切れは仕方がないと病気を見逃してしまう、悪化させてしまうことが怖いのです。
しかし、早期発見、早期治療をすることで、改善することも多いのです。定期的な健診も必要です。他の人より息切れしやすいなどの心配があったら、検査が必要です。
息切れとは
 
  心臓には4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が血液を受け入れ、下側の右心室と左心室が血液を送り出しています。これら4つの部屋がリズミカルに収縮と拡張を繰り返すことで、心臓は絶え間なく全身に血液を送りだしているのです。正常な場合、右心房にある洞結節(どうけっせつ)という発電所のようなところから発生した電気信号が心房の筋肉を伝わって房室結節と呼ばれる中継地点を経て心室へ伝わり、心室の筋肉を収縮させ、血液は心室から、全身へと送り出されるのです。洞結節から一定の間隔で信号が発生する発生頻度が脈の速さであり、この電気的活動のどこかに障害が生じた場合、不整脈となるのです。
息切れ=呼吸困難が症状としてある代表的な病気
 
 
1、突発的、急性に起こって、呼吸困難が持続する
急性左心不全 肺塞栓症 気管支喘息 自然気胸 肺炎、胸膜炎
2、発作的に繰り返す呼吸困難
気管支喘息 発作性夜間呼吸困難 過換気症候群、不安神経症
3、慢性的な身体を動かした時の呼吸困難
慢性心不全 COPD 肺線維症 貧血

注意が必要なのは3番目の病気です。まったく健康な人でもおこる症状と、これら病気の初期症状が同じで、じわじわと進行していきます。病気が進行するにつれ、息切れだけでない症状が起こったりと独特な症状が 表れることも多いですが、長年かかって進行した慢性疾患は治すことも時間がかかることがあります。病気が進行する前に発見したいものです。
慢性心不全
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して、体が必要とする血液を送り出せなくなっている状態です。心不全の心臓は鼓動が一定でなかったり、心臓の筋力も弱まっていたりして血液を上手く送れず、低酸素血症を引き起こすため、動悸や息切れを生ずるのです。 ただし、慢性の場合の初期の症状は運動をした時にだけ息切れが起きるくらいなのです。病状が進むに連れて、動悸や頻脈、むくみが現れ、そして安静にしていても、息切れを起すようになってきます。また、就寝後一 時間ほどで急に息切れを起こす場合もあります。心不全が悪化すると、死に至ることもあるのです。
COPD
COPDとは「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれます。「慢性気管支炎」「慢性肺気腫」などの総称です。タバコなどが 原因でゆっくり進行する病気です。やはり初期症状は軽い息切れだけ・・・というところからという場合が多 いのです。詳しくはCOPDの項をご覧下さい。
息切れを少なくする
 
  まず、検査をすることです。45才以上になったら、年に1回の健診は他の病気予防のために重要です。45才で3階までの階段を普通に昇って息切れがある場合は、要注意です。医師に相談しましょう。早く治療を開始すれば、早く改善することが多いのです。 また、検査を充分したが異常がなかった場合は、運動不足や肥満が考えられます。これは、病気でなくとも、病気になるリスクが高い状態です。エスカレーターを使わず階段を利用するなど少しずつ、運動量を増やしてください。ある日、3階まで昇っても息切れしない自分を取り戻すことができます。