伴野内科クリニック
 
トップページ 今月のお知らせ クリニック紹介 診療内容 人間ドック 検査 診療時間 アクセス
  一般診療 医療相談 禁煙外来 プラセンタ療法
胃ガン
 
  胃がんは、早期発見でほとんど治すことができるようになってきました。検査法・治療法の技術の進歩によって、定期的に検診を受け適切な処置をすれば、過度に怖れる病気でなくなっています。しかし、食べ物やお酒、たばこ、ストレスなど、毎日の生活と密接な関係があり、食生活の見直しなどの「予防」が大切です。当院院長は日本消化器内視鏡学会専門医として東京女子医科大消化器病センター外科から榊原厚生新宿NSビルクリニック院長時代も、消化器v胃腸の症例を多く手がけています。当院では、それらの検査設備充実により、予防、早期発見に力を入れています。
胃ガンとは
 
  胃は、食道からの入口部分の噴門部、胃の中心部分の体部、十二指腸側への出口部分の幽門部に分けられます。胃の壁は、一番内側が胃液や粘液を分泌する粘膜、その下が胃の動きをする筋層、その下は臓器全体を包 む薄い膜で漿膜と呼ばれます。 胃がんは粘膜内の分泌細胞や、分泌物を胃の中に導く導管の細胞から発生します。がん細胞は無限に細胞分裂を行うため、増殖し始めると進行し、放っておいて治ることはありません。粘膜、粘膜下層までのがんは早期がんといわれ、多くが手術で治ります。最近では内視鏡により切除することができるようになっています。がんが筋層・漿膜まで達する進行がんは、胃の周囲や他臓器に転移している可能性が高くなり、完全に治ることが難しくなります。
どんな症状なんですか?
 
  早期の胃がんでは、自覚症状のないケースも多くあります。自覚症状が出ても、特有なものでなく、腹部不快感、食欲低下、吐き気、嘔吐、胸やけ、げっぷなどは、普段、胃の調子が悪いときや、胃炎などのほかの胃腸の疾患でも経験する症状です。そのため本人は気づかないでいても、検診などでがんが見つかるケースも少なくりません。がんが進行してくると、おなかの痛みや不快感などを訴える人は増えてきます。さらに、吐血や黒色便などの出血症状が出現することもあります。さらに進行すると、全身倦怠感、体重減少のほか胃がんそのものが腫瘤(しゅりゅう)(しこり)となって、触れるケースもあります。
胃ガンの原因と予防
 
 
胃がんの明らかな原因の1つに塩分摂取があります。(*)リスク増加要因としては、ほかに米飯多食、熱い食べ物、飲み物、不規則な食事、なども言われています。一方、胃がんの予防に有効な食生活として、牛乳、乳製品、生野菜、果物などを摂ることがすすめられています。また、日常生活で心がけることとして過度の飲酒、喫煙、肉や魚などの動物性たんぱく質のこげ、カビなどはなるべく摂取しないなどがあげられます。特に喫煙による胃がんのリスクの上昇は多くの研究で指摘されるようになってきました。また、緑黄色野菜、緑茶、ビタミンCを積極的にとることががんの発生を抑えるともいわれています。
最近、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌が胃の中に住み着いて胃がんの原因のひとつになっていることがわかってきました。菌によって慢性の炎症をおこし、慢性萎縮性(まんせいいしゅくせい)胃炎と呼ばれる状態になり、それが胃がんの発生下地になるといわれています。しかし、この菌は50歳以上の日本人の8割が保菌しています。 ガン予防だけのために、抗生物質で除菌することは、保険では認められていません。胃がんは、これらさまざまな原因で胃の細胞の遺伝子にたくさんの傷がついてがんが発生するといわれています。遺伝子の傷を自力で修復する能力の劣った家系があり、その家系では胃がんや大腸がんが多数発生する場合があります。親兄弟、親の兄弟などに胃がんが多い家系は注意が必要です。
日本は、世界でも非常に多く胃がんの発生する国のひとつです。米国など西欧諸国においては、現在ではまれながんになりつつあります。日本でも減り続けていますが、まだ多い病気です。国内でも地域差があります。南九州、特に沖縄では少なく、秋田・山形・新潟などの東北地方の日本海沿岸に多く発生しています。塩分摂取量、特に、高塩分食品(ひもの、漬物など)の摂取量と関係しています。
高塩分食品を摂ることで、塩分濃度が高いと胃粘膜の傷害や炎症などを起こし発がんを促進するものと考えられています。一方、胃がんの発生に予防的に働くものとしては、新鮮な野菜や果物の摂取があげられ、これらの食品中の栄養素、特にビタミンCやカロテノイドが発がんを抑制するものと考えられています。 沖縄地域の発生率が低いのは、新鮮な野菜や果物をたくさん摂取していることにも要因があると考えられます。
二次的予防として検診があります。
胃がんの罹患率の減少と共に死亡率は急速に減少しており、これは検診の普及による早期発見と早期治療、治療技術の向上によるものです。食生活に注意し、定期的に検診を受け、がんを早期に発見し治療することが重要なことです。