伴野内科クリニック
 
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潰瘍性大腸炎
 
  潰瘍性大腸炎は、難病に指定されています。そして、近年、急速に増えてきた病気です。
日本で30年ほど前では、患者さんの数は、ごく少数でした。しかし、最近の厚生省の統計では、10年前と比べてみても約3倍に増えています。潰瘍性大腸炎が増加している背景には、大腸癌と同じように、食生活の欧米化、特に脂肪の多い食事のとりすぎがあると推測されます。実際、欧米では、潰瘍性大腸炎は昔から多く見られる病気です。
急速に増えてきているにも関わらず、過去にはめずらしい病気だったために、認知されていません。初期には下痢症だから・・・と放置したり、合併症の病気を治療しても、原因の潰瘍性大腸炎を見逃してしまうということもあります。悪化すると大腸の全摘出にもなってしまうことがあります。
早期発見、早期治療が一番です。下痢が続くといったような場合、他の病気のためにもまず、検査しましょう。当院では、消化器、胃腸系の検査設備の充実により、予防、早期発見に力を入れています。
潰瘍性大腸炎とは
 
  潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に潰瘍やびらん(ただれ)ができる病気です。治りにくいうえ、いったんよくなっても、再発しやすいという特徴があります。発病後は、10年〜30年と長い期間にわたって、再発を繰り返すことがあります。
なぜ発症するのか今だに原因がはっきりしていません。最近の有力な説として、免疫異常がその原因となっているのではないかと考えられています。身体には、外から異物が侵入した際に、それを排除しようとするしくみ(免疫機能)が備わっています。この免疫機能に異常が生じると自分自身の粘膜をも異物とみなし、攻撃して傷つけようとしてしまいます。その結果、粘膜に炎症が起こります。そしてこの攻撃がずっと続いてしまう場合が多いのです。ただ、この免疫説も、炎症が起こるしくみとしては有力な説ですが、なぜ免疫機能の異常が起こるのか発症のメカニズムは、まだ明確には分かっていません。
しかし、早期発見と適切な治療を受け食事に気をつければ、健康な人とさほど変わらない生活を送ることができます。
潰瘍性大腸炎の症状
 
  潰瘍が大腸の一部の場合、全体に広がっている場合(重症)があります。
特徴的なのは、長期にわたると、症状が悪化している時期=活動期と、炎症がおちついている時期=緩解期がある場合が多いことです。活動期には血便があり、粘膜に出血が認められるが緩解期には血便もみられません。治ったと思ってしまうのは危険です。この状態を経ず、急性に悪化する場合もあります。

潰瘍性大腸炎の症状で、最も多く見られるのが血便です。痔の出血は鮮やかな赤の場合が多いですが、潰瘍性大腸炎の出血は、赤黒い色をしてます。さらに、便に白っぽく濁った粘液が付着しています。

出血以外では、下痢、食欲不振、腹痛といった症状を伴うことがあります。さらに重症になると、体重減少、発熱といった症状が現れてくることもあります。

血便や下痢を起こす病気は、潰瘍性大腸炎のほかにも、急性腸炎や癌などいろいろあります。自己判断で下痢止めや止血剤を使うと、かえって症状をひどくする場合があります。必ず専門医に受診して、検査したうえで適切な治療を受けるようにしましょう。
合併症
 
  潰瘍性大腸炎は、大腸の炎症のほかにも、いろいろな合併症を引き起こしやすい病気です。

代表的な合併症には、結膜炎や虹彩炎などの目の病気v口内炎や重い皮膚炎、肛門周囲膿瘍、関節炎などがあります。他にも、膵炎、肝機能障害、肺機能障害などが起こることがあります。
潰瘍性大腸炎の治療
 
 
内科的治療
潰瘍性大腸炎は、発症の原因がはっきりと分かっていないため、病気を根本から治す治療法はありませんが、 薬物治療を行うことで、炎症を抑えて、下痢や粘血便などの症状を緩和していき、炎症のない状態である緩解期を長く維持することが可能になってきました。
外科的治療
手術による治療が適応となる患者さんは、全体の15〜20%ほどです。潰瘍性大腸炎の手術には、手術を行わないと命に関わるような場合と、患者さんの日常生活を考えると手術を行ったほうがよい場合があります。
早期発見、早期治療です。まず、診療機関で適切な診断を受けましょう