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高脂血症は血液に溶けている脂質が異常に多い状態にあることを言います。その中の代表的な脂質がコレステロールや中性脂肪です。日本の食料事情は戦後劇的に変化し、エネルギー摂取量の中の脂質の割合も急激に増えています。血清コレステロール値も増加が顕著で、女性の値は今やアメリカ人の男女の値を超えています。高脂血症者は’80年〜’90年で2倍に増えました。40歳代の3人に1人が高脂血症の疑いがあるとも
いわれています。「コレステロールが少し高い」程度は気にしていない人が多いですが、自覚症状がないために高脂肪血症から動脈硬化から、脳血管疾患、心疾患と知らないうちに進んでしまうのです。健康診断などを何年も受けずに、自分のコレステロール値を知らないという人も少なくないのが現状です。 |
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コレステロールは体の細胞を作る材料であり、ホルモンの原料でもあります。必要不可欠ものなのです。脂質は脂肪なので、そのままでは水が主成分である血液の中を移動できません。そこでアポ蛋白というたんぱく質がリン脂質といっしょにコレステロールや中性脂肪を包んでリポ蛋白となり、運んでいます。その結合の割合により食物から吸収した脂質を肝臓に運んだり、肝臓で合成された脂質を末梢組織に運んだり、いろいろな役割のリポ蛋白があります。その中で、体の余ったコレステロールを回収し、肝臓へ戻す回収屋の役割をするものを高比重リポ蛋白=HDL(善玉)、肝臓からコレステロールを運んで各組織の細胞に届ける配達屋の役割をするものを低比重リポ蛋白=LDL(悪玉)といいます。悪玉といっても重要な役割があるのです。悪玉と呼ばれるのは、各組織へ運び過ぎてそこに溜まってしまうことにあるからです。 |
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高脂血症は肥満と同じで、薬や手術で完治するものではありません治療期間も、本人の努力によって大きく違ってきます。脂質の数値にもよりますが、食事療法や運動療法(これらは予防にも効果的です。)を指導し、それでも改善がみられない場合、薬物療法(高脂血症のタイプによりそれに合った)を取り入れます。長期に
なる場合が多く、医師と相談して、無理せず長続きするような方法を実践していくことが大切です。 |
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高脂血症のタイプによって、コレステロール、中性脂肪のコントロールが大切です。当院では管理栄養士による独自の栄養指導を行っています。 |
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高脂血症のタイプ、併発している病気により、医師と相談して適切な運動をする必要がありますが、できれば、毎日、心拍数が120/分を越えないよう1日30〜40分の早歩きが効果的です。 |
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コレステロールを低下させる薬など、タイプ、程度により処方します。 |
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