伴野内科クリニック
 
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胃潰瘍と十二指腸潰瘍
 
  患者数は胃潰瘍が十二指腸潰瘍より多いのですが、十二指腸潰瘍の患者数も次第に増えています。これは食事などの生活様式の欧米化が影響しているのかもしれません。胃潰瘍は40〜50歳代、十二指腸潰瘍は30〜40歳代に多く見られます。いずれも女性より男性に多く発生しています。近年では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は薬で治すことができるようになりましたが、一方では再発しやすい病気として知られています。特に、何回も再発繰り返していると、がん化の可能性もあります。当院院長は日本消化器内視鏡学会専門医として東京女子医科大消化器病センター外科から榊原厚生新宿NSビルクリニック院長時代も、消化器の症例を多く手がけています。潰瘍の治療とその後のケア、また、消化器系の検査設備の充実により、予防、早期発見に力を入れています。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍とは
 
  胃潰瘍、十二指腸潰瘍とは
なぜ潰瘍ができるのでしょうか?
 
 
1)粘膜が侵食されるわけ
 

胃は胃液を分泌して、口から入ってきた食べ物と混ぜ合わせ、食べ物をドロドロに溶かす働きをしてい ます(消化)。この胃液は強い酸(塩酸)と消化酵素(ペプシン)を含んでおり、食べ物だけでなく胃自体をも侵食してしまう力があります。しかし、胃の粘膜には胃液の攻撃に対する防御機構(*)が備わっており、この防御機構と胃液の攻撃との均衡が保たれている限り、胃が侵食されることはありません。逆にいうと、潰瘍はこの均衡が崩れて胃液が粘膜を侵食したときに生じます。

 
 

*胃粘膜はアルカリ性の粘液も分泌して表面を被い、胃液の攻撃(消化作用)を防いでいます。

 
  胃の中でドロドロになった食べ物(内容物)は、強い酸性状態になっており、そのまま次の十二指腸に送られます。十二指腸では、内容物が胃から送られてくると、すい臓や胆のうからアルカリ性の液が分泌されます。そして、それらの液が内容物と混ざり合い、強い酸性状態は緩和されることになります。しかし、 なお酸性の状態にあり、ここでも防御機構が働いて攻撃と防御の均衡が保たれています。十二指腸で潰瘍が発生するのは、胃とは逆に、攻撃する側である十二指腸の中の酸性が強くなった場合が多いと考えられています。
2)酸の攻撃と粘膜の防御との均衡が崩れる原因
  胃潰瘍は俗に「脳の病気」ともいわれ、ストレスとの関係が深い病気です。ストレスは、胃の分泌や粘膜の防御作用を調整している自律神経やホルモンに影響を及ぼします。その他、過労、飲酒、喫煙、食事(刺激物)、体質、薬物の副作用や胃炎からの発展する場合もあります。へリコバクター・ピロリ菌という細菌の粘膜感染も潰瘍の発生に関与していることがわかっており、除菌治療が行われています。
どんな症状なんですか?
 
  どんな症状なんですか?
どのように治療するのでしょうか?
 
 
1)潰瘍ができてから治るまで
●できたての時期(活動期)
 

心身の安静が大切です。仕事を休むなどしてストレスを減らし、食事・薬を規則正しくとります。放置すると、潰瘍が深く、治りにくくなり、出血したり、孔があいてしまうことがあるからです。個人差はありますが活動期は2〜3週間です。

●治りかけの時期(治癒過程期)
 

潰瘍自体が小さく浅くなり、周囲の腫れがひいてきます。この時期には、腹痛などの症状はほぼ治っていますが、ストレスがかかるなどするとすぐに悪化、再発します。処方されている薬を勝手にやめてはいけません。

●治りかけの時期(瘢痕期)
  傷痕が赤いうちはまだ再発の危険が高いのですが、白くなると潰瘍は「治った」と判断されます。治療開始からこの時期までは、胃潰瘍で8週間ほど、十二指腸潰瘍で6週間ほどで、この時点で、一応治療は終わります。ひとによっては6ヶ月〜1年、あるいはそれ以上、治療を続けなければならないこともあります。 また、治っても、他の病気より再発率が高いので、その後のケアが大切です。
2)治療法
X線造影検査、内視鏡検査(必要に応じて麻酔下での検査も可能です。)などで診断し、観察します。
●生活習慣の改善
  心身の安静が一番大切です。禁煙をし、飲酒を控え、食事指導に従って正しく食事をとります。
●薬物療法
  薬物は「胃液の分泌を抑える薬」あるいは「防御を助ける薬」と併用します。場合によってへリコバスター・ピロリ菌の除菌のための薬を服用します。完治した後も再発を防ぐため、分泌液を抑制するなどの薬を継続して服用します。
●手術
  出血性潰瘍の場合は、内視鏡的止血法を行います。深い潰瘍の場合は外科的手術の必要がある場合もあります。
一部、日本医師会より